進化論(偶然と必然)
Evolution: Chance And Necessity
ジャック・モノーの”偶然と必然”
Jacques Monod's "Chance And Necessity"
大学2年(1972) の時、ジャック・モノーの”偶然と必然”の本に出会った。衝撃的であった。
Jacques Lucien Monodは、パリ・パストゥール研究所所長で、生物学でノーベル賞を受賞した学者である。
“進化の要因は、不変な情報が微視的な偶然による擾乱を受けることにある”と彼はいう。
新明解国語辞典では、擾乱(じょうらん)とは、”秩序の乱れ”と訳する。
“このように偶然に発した情報は、合目的的な機構により、あるいは取入れられ、あるいは拒否され、さらに忠実に再生・翻訳され、その後、巨視的な自然の選択を経て必然のものとなる。”
(ジャック・モノー、渡辺 格・村上光彦訳:偶然と必然、みすず書房、裏表紙、1972)
ここで、この”微視的な偶然による擾乱”について、日本語版からみてみる。
また、進化論といえば、ダーウィンの進化論、種の起源(1859年出版)がある。
このダーウィンの進化論における”枝分かれの部分”に、ジャック・モノーの理論を重ね合わせても、面白いかもしれない。
進化や突然変異の原因は、ヌクレオチドの対の他の対への置換、ヌクレオチド対の欠損や付加、DNAの倒置、繰り返し、転置、融合等による遺伝暗号テキストの擾乱《かきまぜられること》などとされる。(日本語版のP131)
非常に難解な理論である。
現代生物学のなかの分子遺伝学の領域であり、具体的な鎖の構 造として図示される。
モノーは、生物の特徴は”不変の再生”と”合目的的な活動”にあるという。よって、この微視的擾乱についての記述は、
”不変の再生”→核酸=”ヌクレオチド”と呼ばれる化合物が重合してできた高分子物質
”合目的的な活動” →タンパク質(アミノ酸)=”ポリペプチド”と呼ばれる化合物が重合してできた高分子物質
と連関される。
(このような重厚な理論を単純化するには気がひけるが)
<日本語版>
6 不変性と擾乱
微視的擾乱
生物の複製機構もまた、いっさいの擾乱と偶発時から免れるわけにはいかない。もし免れうるとしたら、それは物理学の法則を破ることになる。これらの擾乱のうちの少なくとも一つは、DNA中のヌクレオチド配列のあるものが個々に変化するためである。
複製の間違いは、盲目的な忠実性をもつ機構のおかげで-さらに新たな擾乱を生じる場合は別として-そのまま自動的に再び複製されてゆく。DNAのある部分のなかで突然変異が生じたとすると、それはそれに対応するポリペプチドのなかのアミノ酸の配列の変化として同様に忠実に翻訳される。しかし、突然変異の機能的《意義》が実際に現われるのは、この部分に新しいポリペプチドが畳み込まれたあとのことである。
(ジャック・モノー、渡辺 格・村上光彦訳:偶然と必然、みすず書房、130, 1972)
最近(2026)、この本を、もう一度読み直した。なぜ、進化が起こるのか。
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